「ゲーム機のはなし」第十二回、今回はドリームキャストです。
ドリームキャスト本体
ドリームキャスト
メーカー:セガ・エンタープライゼス
発売日:1998年11月27日
販売台数:225万台(全世界では1045万台・
Wikipediaより)
発売当時こそプレイステーションと良い感じで競い合っていたセガサターンでしたが、1996年ごろからのプレイステーションの大攻勢で失速、海外でも売り上げが振るわず、急速に衰退していきました。
この事態の打開のため、セガの社運をかけて発売されたのがドリームキャストです。
性能は3Dを扱う能力に特化したもので、ソフトも1ギガバイトの容量を誇る独自規格のGD-ROMを採用し、大容量かつ美麗なグラフィックを使ったソフトを提供できました。
またモデムも標準搭載しており、インターネットに繋げてオンライン対戦をしたり、専用のブラウザでWebサイトを見ることも可能でした。
宣伝も非常に力が入っており、新聞の1ページを丸々使った広告や、当時のセガの役員だった湯川専務がCMに登場するなど話題を集めていました。彼とタレントの滝沢秀明氏がリヤカーでドリームキャストを売り歩くCMを覚えている人も多いかと思います。
こうしてみんなの期待を一身に背負って発売されたドリームキャストでしたが、部品の開発が遅れてしまったため生産とソフト開発に遅れが生じ始めます。
このため初回出荷量を大幅に減らさざるをえず、ソフトも発売延期が相次ぐなど「売りたくても商品がない」という状態に追い込まれます。
こうしてスタートダッシュに失敗したドリームキャストはソフト不足もあり普及が進まず、話題性も徐々に薄れていきました。
このため赤字覚悟で定価を値下げして普及を図りますが上手く行かず、この状況が立て直せないまま
2000年にソニーから「プレイステーション2」が発売されてしまいます。
プレステ2はドリームキャストと同等のCG処理能力や、ドリームキャストにはないDVD再生能力や前世代機との互換性を持っていたため(プレステ2は初代プレステのゲームをプレイできたが、ドリームキャストはセガサターンのゲームをプレイできなかった)、人々の興味は一斉にプレステ2に向いてしまいます。
結局そのまま勢いを取り戻す事ができずに、2001年3月に生産停止。以後セガはゲーム機開発から身を引き、ゲームソフトの開発・販売に専念することになります。
在庫は9900円という破格の値段で放出され、2002年前半まで販売が続けられました。
しかしどうしたわけか販売終了後も対応ソフトが発売され続けます。これは同じ時期に発売されたアーケード用の基盤「NAOMI」がドリームキャストとほぼ同じ設計で簡単に移植が行えたためということもありました。
最後のソフト「カラス」が発売されたのはなんと2007年3月8日、ドリームキャスト生産終了の実に6年後でした。
ドリームキャストでプレイできるゲームのうち、特に印象深いのが「
シェンムー」と「
セガガガ」の2本でしょうか。
「シェンムー」はリアルすぎるグラフィックや演出、
70億円と言う莫大な制作費が投じられたこと、「セガガガ」は当時のセガを取り巻く状況を反映した
前代未聞の自虐ゲームだったことが話題になりました。
それじゃ、今日はこのへんで。
セガガガ (ドリームキャストダイレクト専売)