ゲームレビューなんかで時々「これはやりこみ要素が少ないからうんぬん」とか言ってるのを目にします。
「やりこみ」というのはそもそも「ゲームの本筋から外れてある分野を徹底的に極める」という意味合いで、大きく分けると
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ハイスコア更新やタイムアタックなどの「記録に挑戦系」
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レベル・ステータスカンスト(=カウンターストップ/それ以上上がらない所まで数値を上げること)や所持金カンスト・アイテム数カンスト、装備極限強化、一撃最大ダメージ狙いなどの「数値カンスト系」
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アイテムコンプリートや全エンディング到達、全イベント体験、全キャラクリア、全難易度クリアなどの「骨の髄までしゃぶりつくす系」
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低レベルクリア、必殺技・魔法など一部の攻撃方法封印、ノーセーブ・ノーリセット、不殺プレイ(できるだけ敵を倒さずに進める)などの「縛りプレイ系」
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ガンシューティングの『二挺拳銃』(一人で二人プレイ)、普通は倒せない敵の撃破、ノーミス・ノーダメージクリアなどの「超人系」
といった感じで分けられると思います。
大体の場合、一度クリアしたゲームをもう1回プレイする際、更なる刺激を求めてこういったプレイに走る事が多いと思います。
「やりこみ」はもともと、プレイヤーが自主的に行うもののはずだったんですが、少し前から、メーカー側があらかじめやりこみ要素となるものを仕込んでおいたり、やりこむことによってご褒美がもらえるようにしたゲームが多くなってきました。
背景にはどうも中古対策(ゲームを長く遊ばせることで新作ゲームが発売後すぐに中古屋に売られないようにするため)もあるようです。
でもですよ。
そういうのは「やりこみ」とはちょっと違うんじゃないかなあと思うわけですよ。
さっきも言ったとおり、「やりこみ」とはプレイヤー自身が探して行うものであって、メーカー側が用意したものはいわゆる「
やりこませ」なんじゃないかなあと。
それだけなら別にいいんですが、そのやりこみ要素をゲームクリア後のおまけとして用意するならまだしも、ゲーム本編に絡めてくると(武器作るのに素材集めないといけないとか)ちょっとゲンナリしたり。
あとやりこみ要素を重視しすぎたせいか本編が薄くて「クリアしてからが本番だ!」っていうゲームを見ると何だかなあと思ったり。
なんか、ゲーム時間引き伸ばしてるのが見え見えで萎えるというか…
あ、もちろんその過程が面白いとか、もともとそういうゲームなら特に問題はないと思いますけど。
ボリュームを増やすためにやりこみ要素を増やすのは結構なんですが、結局はそのゲームの面白さがプレイ時間に比例するという事をメーカー側には分かってほしいと思います。
面白いゲームは、ボリュームが少なくても、もう1回プレイしよう、探してでもやりこみプレイをやろうという気にもさせてくれますが、どんなにボリュームがあるゲームでも、ゲームそのものがつまらななければやりこむ気すら起きませんから…
それじゃ、今日はこのへんで。
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