(12/15…いろいろと追記)
ゲームの進行状態を記録するセーブ機能なんですが、フラッシュメモリが登場する以前は
バッテリーバックアップという方式が主流でした。
これはカートリッジ内部に入れた電池でメモリに電力を供給し続ける事でデータを保持するやり方で、電池が切れるとセーブが出来なくなると言う欠点があります。
そうなると電池の交換が必要になります。
メーカーに送ると1000円くらいでやってくれるんですが、任天堂のサイトを見るとすでにファミコンやゲームボーイのソフトについてはサポートを終了してしまっているとの事。
同じくらいの値段で交換してくれる業者さんもあるんですが、ソフト1本で1000円と言うのは地味に痛い出費。
沢山のソフトを集めている方ならなおさらでしょう。
そこで自力で電池交換に挑戦する事にしました。
今回オペ(作業)を受けるクランケ(ソフト)は
(画像はクリックすると拡大します)
ウィザードリィ外伝3(右)。
同時にセーブデータが壊れてセーブ・ロードが出来なくなった
ミニ4ボーイ2(左)もこの方法で直るか試してみます。
※注意
- 今回紹介する方法は正規の交換方法ではなく、身近にある道具で行う簡易的な方法です。正規の方法は専用のドライバーやはんだ付けの技術が必要です。
- 精密機器を相手に行う作業なので、マネするときは慎重に作業してください。
- 今回紹介する方法は改造行為にあたります。失敗して故障させたとしても、公式サポートは受けられないものと思ってください。(まあ公式サポート自体終わってるはずですが…)
- 今回紹介する方法を試した結果、ケガやソフトの故障などの事故が起こったとしても、わたくし(Bぼたん)は責任を取れません。作業は自分の責任において行ってください。
※今回は以下のサイトを参考にさせていただきました:
げーむぼーいまにあ
Poke ASTRAY
ARTSTYLE+
まず道具を準備します。
- ボックスレンチ(3.0m/m)
- カッターナイフ(学校などで使うスライド式のやつ)
- ビニールテープ
あると便利なものとしては
- ラジオペンチ(ボックスレンチが手に入らない時は必須)
- 瞬間接着剤(もしもの時の補修用)
- はんだごて(はんだづけに自信がある方のみ)
ボックスレンチについては、
ダイソーで買える「ミニボックスレンチセット」の3.0m/m(一番左)を使います。
電池は中を見るまでどれを買えばいいかわからないので今は準備できてなくてもかまいません。
それでは、オペ(作業)開始!
(「続きを読む」へつづく)
1 まずカートリッジを開けよう
ゲームボーイのカートリッジを開けるには裏側にあるネジを回せばいいんですが、このネジは特殊な形状をしていて、専用のドライバーでなければ回らないようになっています。
ですが
ボックスレンチ(3.0m/m)を使えば無理やり回すことができます。
やり方は、まずボックスレンチをネジになるべく合うようにあてがい、ボックスレンチの根元を持って、押し付けるように
反時計回りにゆっくりと回します。
最初はなかなか回りませんが、しつこくやっているとネジとボックスレンチがいい感じに削れたのか、うまくかみ合って回るようになります。
(ボックスレンチが手に入らない方は、ラジオペンチでネジをしっかり挟んでゆっくり回してください。
またネジ山が潰れる事があるので、それを避けたい方は少々値がはりますがこのネジ専用の特殊なドライバーを使ってください。)
(スーパーファミコンやニンテンドウ64などのカートリッジも分解できるそうです)
ネジが外れたら、カートリッジを表にし、上半分を下にずらすと
開きました。
右上の丸いのが電池です。
ここで使われている電池の型を確認します。(電池の上の基板上に「Batt CR○○○○」と書いてあります)
今回は両方とも「CR1616」が使われていました。
これをメモって同じ型の
ボタン電池リチウム電池を買いに行きます。
(バッテリーバックアップに使われている電池は、タブという金具がついている以外は市販の
ボタン電池リチウム電池と同じものです)
(12/17追記…ボタン電池じゃなくてリチウム電池だった…)
2 古い電池を取り外そう
電池を買ってきたら古い電池を取り外す作業に移ります。
写真のように
カッターナイフの刃を金具の下に潜り込ませ、テコの要領ですこしづつ上に持ち上げる感じで刃を動かします。
反対側と交互に何度もやっていると、そのうち「ぷちっ」という音がして止め具が外れます。
止め具は2個あるので2回目の「ぷちっ」まで作業を続けます。
金具が外れたら金具を起こし、電池の裏側の金具も同様にして外します。
(金具を起こす時に折ってしまわないように注意!)
はんだづけができるなら、電池を金具ごと基盤から外してから作業した方が安全です。
外した古い電池はビニールテープで包んで、お住まいの自治体が指定する方法で捨ててください。
3 新しい電池をを入れよう
さてようやく買ってきた電池の出番。
そのまえに、金具の変形が気になるなら、ラジオペンチで整えてください。
起こした金具を倒し、ビニールテープで電池と固定するんですが、
+と-を間違えないようにして下さい。
具体的には
- 左の金具を倒して、その下にビニールテープを敷いて、電池を+を下にして乗せて貼り付ける
- 右の金具を電池の上に倒し、ビニールテープを上から貼り付ける
という手順で作業を行います。
できるだけしっかり押さえて貼り付けてください。
完成。
(はんだづけができる方でも、
電池と金具を直接はんだづけすることは絶対にやらないでください!電池が破裂するおそれがあり危険です!)
(2011年9月11日追記)
タブ(金具)つきのリチウム電池は通信販売などで手に入れることが出来ます。はんだ付けが出来る方で本格志向の方や、金具を折っちゃった方などは、少々割高ですがタブつきのものを買った方が良いでしょう。
4 ちゃんとセーブできるか試してみよう
ここまで済んだら、カートリッジを元通りにして(ネジはゆるく締めてください)ゲームを起動します。
そして適当にセーブし、一旦電源を切ってから入れなおし、セーブデータがロードできるかどうか確認してください。
ロードできない場合はカートリッジを開けて、3からやり直してください。
ロードできた場合は、念のためカートリッジを振ったり軽く叩いたり布団の上に落としたりして、衝撃で電池が外れたりしないか確認してください。
問題がなければネジをしっかり締めて作業終了です。
作業終了までだいたい3~40分。
ただ手元が狂うと取り返しのつかない事故につながる場合もあるので慎重に、短気を起こさずゆっくりと作業をするのがコツです。
それじゃ、今日はこのへんで。
(追記)
その後、ウィザードリィ外伝3、ミニ4ボーイ2ともにこれといった異常もなく起動しています。
ミニ4ボーイ2は正常にセーブできるようになりました。思ったとおりセーブデータの破損が原因でセーブが出来なくなっていたようです。
1. ありがとうございます
改めてありがとうございます!
コメントありがとうございます
もう随分と前に書いた記事なんですが、いまだに見てくれる方が結構いるんですよね。書いた甲斐があったというもんです。