全18回で最終回を迎えた「世界はあたしでまわってる 光と闇のプリンセス」プレイ日記。
そろそろ熱も冷めてきたところで冷静にレビューでもやってみますかねー。
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世界はあたしでまわってる 光と闇のプリンセス
対応機種:プレイステーションポータブル(PSP)
ジャンル:あたしのためのRPG
メーカー:GAE
発売日:2009年7月9日 |
わがままなお姫様が意中の冒険者を振り向かせるために一人前の冒険者を目指すRPG。
ぶっちゃけ言いますとゲーム自体は単調なお使い型RPGです。町で「○○を何個集めてきて」「××を何体倒してきて」というクエストをクリアすれば次に進める、というもの。
このゲームを良作たらしめているのは次の2点だと感じます。
「わがままコマンド」と「主人公アンジェラの魅力」。
「わがままコマンド」はどんな事でも思い通りにしてしまうアンジェラの性格をシステム化した今作のウリの部分で、WPというポイントを消費する事でさまざまなわがままを言う事ができます。
「敵を追い払う」「敵の出現頻度操作」などの他のRPGでは魔法扱いされるものから「敵のHP半減」「取得経験値増加」などの強力なもの、果ては「敵の強さの操作」「
クエスト省略」というチートまがいのものまであり、上手く使うことでゲームを快適に進めることができます。「宝箱を鍵無しで開ける」など戦闘関連だけではない部分でも言えるのもポイント。無論できるだけわがままを言わずにプレイするストイックなスタイルも許容されます(さすがに全くわがままを言わずに進めることは不可能ですが)。
そして「主人公アンジェラの魅力」について。
外見上可愛いのは勿論ですが、わがままな性格の割には嫌味が全く無く、底抜けに明るく前向きでたまには言い事言うため非常に好感が持てます。その性格を印象付ける軽妙な会話シーンも魅力を引き出すことに一役買っています。
ただその会話シーンでメタな発言が目立つのが少し気になる点。アンジェラの決め台詞が
「経験値ちょうだい☆」なところにも現れていますが、基本的にRPGのお約束をブッ壊すのを楽しむゲームのため、そういうノリが苦手な方にはあまり楽しめないでしょう。(「RPGのお約束」が何なのかよくわからないライトユーザーの方も同様)
ゲームバランスはちょいキツめ(わがまま次第でどうにでもなりますが)ですが、後半のダンジョンがちょっと長すぎる気がします。オートマッピングや緊急脱出がある点は親切なんですが、行き止まりが多いため同じ場所を何度も歩かされるハメに…
また主人公の性格が成長率重視の「光」かわがまま重視の「闇」か選べるんですが、闇アンジェラ専用のわがままが強力すぎるし、成長率の遅さも宿屋でとれる食事でカバーできるため光アンジェラを選ぶ必要性があまりないのが残念でした。
ストーリーは重厚なものではなく結末もありきたりなものですが、こういった全然壮大さがないミニマムな物語のRPGもあって良いんじゃないかと思います。ただわがままを言いまくって人々や魔物を困らせながら成長していくアンジェラの言動を楽しむ…プレイ後に残るのは爽快感と「アンジェラ可愛かったな」という感想のみ。ボリュームもほどほどで(2周目ありませんし)、深く考えずにプレイできる良作だと感じました。
それじゃ、今日はこのへんで。