家庭用ゲームハードのお話、2回目はPCエンジンです。

ＰＣエンジン メーカー：ＮＥＣホームエレクトロニクス 発売日：１９８７年１０月３０日 販売台数：３９２万台 （http://www.d6.dion.ne.jp/~yosou-oh/hard2.htmより、 PCエンジンDuoなどは含めず）

ファミコンが発売されて４年、国内シェアのほとんどを握って一大ブームを築いていたファミコンの牙城を崩すべく発売されたのがPCエンジンです。
性能はファミコンと比べると高く、特にグラフィック関連では同時に表示できる色数がファミコンが１６色に対し５１２色と圧倒的なスペックを持っていました。またファミコンに比べ小型なのも特徴でした。

その高性能を世に示すきっかけになったのが1998年に発売されたソフト「R-TYPE」でした。
人気アーケードゲームの移植作だったんですが、その移植度は非常に高く（容量不足で2本のソフトに分けての発売になりましたが）、PCエンジンの知名度の向上に一役買いました。

PCエンジンには「コア構想」という計画がありました。PCエンジンを核（コア）として様々な周辺機器を繋ぎ、ゲーム以外にも使えるようにしようというもので、その中でももっとも成功したのが「CD-ROM²システム」でした。
1998年12月に発売された「CD-ROM²システム」は、CD-ROMをソフトの媒体として使う家庭用ゲーム機としては世界初の周辺機器で、これにより大容量のソフトが比較的簡単に低価格で作れるようになりました。
「天外魔境」「イースI・II」などの良作ソフトにも恵まれ、徐々に売上を伸ばしていきます。
また1991年には、PCエンジン本体とCD-ROM²システムを一体化した「PCエンジンDuo」とCD-ROM²システムのアッパーバージョンである「SUPER CD-ROM²システム」が発売されました。この頃がPCエンジンの最盛期だったようです。


1994年、のちに恋愛シミュレーション・ギャルゲーの祖となる「ときめきメモリアル」発売。
このゲームはこれ以降のPCエンジンの方向性にも影響を与え、以降PCエンジンのソフトは目に見えてギャルゲーが多くリリースされるようになります。

その後、スーパーファミコンの隆盛やプレイステーションの登場もあり1996年あたりから衰退し始め、1999年にソフトの供給が終了、後継機PC-FXも振るわず、NECホームエレクトロニクスはゲーム事業から撤退する事になりました。


結局、高額な値段もたたってゲーム業界のトップに立つことは出来ませんでしたが、前述のCD-ROM²システムを始め、3人以上で同時にゲームがプレイできるマルチタップやセーブデータを保管する外部メモリー（「天の声２」）など、後のゲーム機に採用される要素をいち早く取り入れたゲーム機でもあり、ゲーム業界に与えた影響は計り知れないものでした。
現在、対応ソフトの一部はバーチャルコンソールやゲームアーカイブスで遊ぶ事ができます。


それじゃ、今日はこのへんで。