ゲーム機からゲームの歴史に迫る(つもりの)「ゲーム機のはなし」コーナー、1年半ぶりの再開です。
今回は、日本を代表するゲーム機「ファミリーコンピュータ(ファミコン)」よりも前に発売されたゲーム機について。
といっても、ファミコン以前にもかなりたくさんのゲーム機が発売されているので、その中から日本製のものをいくつかピックアップして紹介したいと思います。
テレビテニスメーカー:エポック社
発売日:1975年9月12日
販売台数:約1万台(販売台数データはWikipediaより、以下同様)
日本初の家庭用テレビゲームは、このテレビテニスだと言われています。
この時期のゲーム機の多くがそうであったように、ゲームはあらかじめ内蔵されたものしか遊ぶことはできず、テレビテニスではその名の通りテニスしか遊ぶことができず、またプレイヤーが2人いないと遊ぶことができませんでした。
しかし、このゲーム機は日本初のゲーム機でありながら、
テレビとの接続はなんとワイヤレス!(本体のアンテナからUHF電波を飛ばしてテレビに受信させるというやり方)
ちなみに価格は19500円。ゲーム1個でこれです。当時はコンピューターゲームはというものはお高いものだったようです。
テレビゲーム15・テレビゲーム6メーカー:任天堂
発売日:1997年7月
販売台数:80~100万台くらい(15・6合わせて)
任天堂は、ファミコン以前にもゲーム機を出していました。ただ、これは三菱電機との共同開発です。
こちらもゲーム内蔵式で、名前の通りテレビゲーム15は15種類、6は6種類のゲームが内蔵されていました。
もちろん、15よりも6の方が内蔵ゲーム数が少ない分値段も安いんですが、
実は中身としては15も6も全く同じもの。6の方はわざわざ細工をして9種類のゲームを選べなくしていたのです。
任天堂的にも6の方は売れば売るほど赤字になってしまうんですが、まず安い方の6で客の気を引き、それよりゲームがたくさん入っている15を見せることで「ゲームがたくさん入っているからちょっと高くてもこっちの方がいいや」と15の方を買わせる、という策略だったという事です。
この狙いは当たり、当時経営難だった任天堂を救ったそうです。
GAME&WATCH ゲームウォッチ BALLOON FIGHT バルーンファイト【海外版】 [video game]ゲーム&ウオッチメーカー:任天堂
発売日:1980年~
販売台数:1287万台
こちらも任天堂がファミコン以前に発売していたゲーム機ですが、こちらの方はかなり有名でしょう。こちらもゲーム内蔵式で、1台につき1つのゲームしかプレイできませんが、値段が1個5000円くらいという(当時のゲーム機としては)お手頃価格なこと、小さくてどこにでも持ち運べてゲームが出来ること、なによりゲームそのものの面白さによってブームとなり、様々なゲームタイトルが発売されました。
その中には「ドンキーコング」や「マリオブラザーズ」など、ファミコンでもおなじみのタイトルがあります。
なお、ゲームをしないときは時計として使用する事もできます。これが「ゲーム&ウオッチ」という名前の由来でもあります。
ゲーム画面は液晶ですが、ゲームボーイのようにドットで表現するのではなく、キャラクター表示は位置・形状ごとに固定され、表示・非表示を切り替えることでキャラクターが動いている様に見せている、というものでした。
ゲーム機で初めて十字キーを採用しており、現在のゲーム機のコントローラーの始祖ともいえるゲーム機です。
また、2画面で折りたたみ式の「マルチスクリーン」というタイプもあり、これはのちのニンテンドーDSに受け継がれていると言えるでしょう。
カセットビジョンカセットビジョンメーカー:エポック社
発売日:1981年7月30日
販売台数:40万台くらい
ファミコンが登場する以前、日本におけるゲーム機市場のトップはエポック社であり、当時最も売れ筋のゲーム機と言えるのがカセットビジョンです。
こちらは別売りのカセットを交換することにより別のゲームが遊べるというカートリッジ交換式のゲーム機ですが、カセットの方にCPUを搭載するという今考えるとかなり変な方式を採用していました。
これには技術的な問題もあったのですが、本体が安くできる、動作が安定するなどの長所もありました。
かなり人気のあったゲーム機でしたが、性能・ソフトラインアップともに優れるファミコンが登場すると一気にそちらに人気をかっさらわれてしまいました。
関連機種としては、廉価版のカセットビジョンJr.と後継機のスーパーカセットビジョンがあります。
SG-1000SG-1000メーカー:セガ・エンタープライゼス
発売日:1983年7月15日(
※ファミコンと同じ発売日)
販売台数:最初の1年で16万台売れたらしい
以後、メガドライブ・セガサターン・ドリームキャストなど様々なゲーム機を発売することになる
セガの記念すべき家庭用ゲーム機第1弾。しかし発売日がファミコンと同日…まあなんと間の悪い…
それまで業務用ゲーム専門メーカーだったセガの家庭用参入は話題にはなりましたが、肝心の性能はファミコンに劣るものであり、発売当初から大苦戦を強いられた挙句、大して売れないまま市場から消えて行ってしまいました。
しかし、それでも対応ソフトは66本あり、セガ自身も「5万台くらい売れればいいかー」的なノリだったそうで、セガ的には成功の範疇に入っていたのかもしれません。
ともあれ、これをきっかけに、セガは独自の家庭用ゲーム機の開発に注力するようになります。
関連機種として、キーボードをつけてプログラミングが出来るようにしたSG-3000と、本体とコントローラーの形状が変更されたSG-1000IIがあります。
今回はわたくし自身初めて知るゲーム機のお話でしたが、いかがだったでしょうか。
ゲームの歴史はファミコンから始まったわけじゃないんですよ。
それじゃ、今日はこのへんで。
ハッスルチューミー SG1000